
こんにちは。
障害者就労移行支援事業所アーネストキャリア永山駅前で施設長をしている水野です。
“何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない。”
ピーター・ドラッカー
経営学の巨人であったドラッカーは、自身の著書「明日を支配する者」の中で、何かを成し遂げるのは強みであると説きました。
しかしながら、なぜいまだに日本人は、課題(弱み)を克服することに重きを置くのでしょうか。
なぜ出来なことをいつまでも出来るようにしたがるのでしょうか。
周囲との違いを埋めるための訓練
私たちのような就労移行支援事業所は、企業への就労を目指すための言わば訓練施設のような側面を持っています。
このような訓練機関が、良くも悪くも陥りがちなのは、「課題(弱み)を克服するために訓練をしないと周囲と同じ(普通)になれない」という利用者への恐怖支配です。
周囲と違うことに異常なまでの恐怖心を抱く日本人は、先ずは出来ていないことに目を向け、それを出来るように一生懸命に頑張ります。周囲との違いを埋めるために・・・
有限である人生の大切な時間を何に使うのか
ドラッカーはこうも言っています。
“弱みを改善することに時間を使うな”
多くの就労移行支援事業所のプログラムは、社会に適合するための訓練プログラムを実施しているところが多いと思いますが、その多くは、ドラッカーが言うところの「弱みを改善することに時間を使う」ことになってしまっているのかもしれません。
他人と話すことが苦手な人に、朝から晩まで何か月も、コミュニケーションが取れるように訓練をし続けることが本当にやるべきことなのでしょうか。
「苦手を克服する」というのは聞こえは良いですが、有限である人生の大切な時間を、苦手なことを克服することに割く必要がどれほどあるのでしょうか。
人間が努力することを否定するつもりはありません。
ただ、より大切なことは、「何に対して努力をするべきなのか」ということではないかと思うのです。
強みを伸ばす

“明らかになった強みに集中せよ”
“その強さをさらに伸ばせ”
ピーター・ドラッカー
その人が強みとしている分野やスキルを伸ばすことに集中することこそが、目的を達成するための有効な手段だとしたら、多くの就労移行支援事業所のアプローチは、本当に利用者のためになっているのだろうかと疑問を持たざるを得ません。
ドラッカーがすべて正しいとは言えないかもしれませんが、少なくとも私は、私たちの実績として「何かを成し遂げるのは、その人の強みである」ということが、結果として事実であると自信を持って断言はできます。
強みを伸ばすアーネストキャリア永山駅前
水野