授人以魚 不如授人以漁

授人以魚 不如授人以漁

こんにちは。

障害者就労移行支援事業所アーネストキャリア永山駅前で施設長をしている水野です。

 

ここ最近、いろいろな連携を打診されることが多く、福祉業界関係者の方々や就労継続・就労移行支援などの同業他社の方々とお会いすることも増えております。

 

就労移行支援事業所だからこその葛藤

就労移行支援の悩み

昨日も都内で、特別支援学校の先生方や、就労移行支援事業所を営む方々とお話しする機会があったのですが、皆さん本気で障害を持たれた方々をサポートしたいと尽力されおり、日々試行錯誤されていらっしゃる取り組みを聞くことができ、大変刺激を頂きました。

 

その中で、ある就労移行支援事業所の方が言っていたことが印象的だったのですが、

 

「利用者さんのことを思うがあまり、寄り添い過ぎて、居心地の良い場所や関係を作り過ぎてしまっているんです。本当はいけないんですけど…」

 

とおっしゃっていました。

 

この葛藤には激しく同意します。

 

就労継続支援事業所ならば、その事業所で実際に「働く」ことが主たる目的ですし、利用期間の期限が無いのでその事業所に居続ける可能性が高くなります。となると、スタッフの関わり方や事業所(職場)の環境を居心地良くする必要があります。

 

それに対して就労移行支援事業所は、訓練を通じて社会へと旅立ってもらうことが目的ですので、スタッフの関わり方や訓練環境を、あまりにも居心地良いものにし過ぎると、「辞めたくない」「離れたくない」「あの人が居てくれないと何もできない」という、残念な依存関係を作り出すことになってしまいます。

 

これが、他の障害者福祉施設と大きく違う点のひとつだと思います。

 

もちろん、必要な環境整備やフォローアップは絶対に必要です。

 

しかしながら、私たち就労移行支援事業所のスタッフは、利用者の方々に寄り添い過ぎると、利用者の方々が自ら成長する機会を摘んでしまうことになりかねないのです。

 

これは利用者の方に対して、「あなたは出来ません」と言っていることと同じですので、大変失礼なことになると思っています。

 

「手を差し伸べたい」気持ちを、いかにコントロールするか。

hand

仮に手を差し伸べることで、その時はお互いに良い関係になったとしても、社会に旅立たれたその先の人生は、ご自身で歩むことが大切ですし、就労移行支援事業所のスタッフがいつまでもそばに居られるわけではないので、真の自立を目的とするのであれば、「寄り添い過ぎない」関係づくりを就労移行支援事業所は他の障害者福祉施設よりも意識する必要があるのかもしれません。

 

以前にテレビで、「バリアフリー」ではなく「バリアアリー」の介護施設について見る機会がありましたが、その介護施設では、30段近くある階段をお年寄りに上ってもらったり、あえて通路に段差を残していたり、お年寄りに「楽」をさせてくれません。

 

その施設の方は、生活能力を改善するためには、バリアありの発想が重要だとおっしゃっていました。

 

 

バリアフリーにしたり、何でも面倒を見てあげたりすることが一見よさそうに思いますが、そのお年寄りの方の残された能力を生かして、本人の意欲を引き出す介護こそが重要なのだと施設の方がおっしゃっていたことを覚えています。

 

居心地がよい「バリアフリー」という考え方が、その人のやる気や能力を結果的には否定してしまっているのかもしれませんね。

 

『授人以魚 不如授人以漁』

 

授人以魚 不如授人以漁

 

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という老子の有名な教えですが、昨日の就労移行支援事業所の方の話しをお聞きして、改めてこの言葉の意図を噛みしめております。

 

残念ながら、社会は自分が期待しているほど慰めてはくれません。

 

だからこそ、自分自身の足で立ち上がり歩み続けるしかないのですし、それが人生の醍醐味だと思うのです。私たちは、その立ち上がりたいという本気の方々に多くの機会を創り続けたいですし、そして自ら選択して頂きたいと思っています。

 

 

施設見学やお問合せはこちらをクリック

アーネストキャリア永山駅前

水野