IT・WEB専門の就労移行支援が増えてきて思うこと

 

こんにちは。

IT・WEBスキル習得特化型就労移行支援事業所アーネストキャリアの水野です。

 

最近、就労移行支援事業所の中でも、「ITスキルが学べます」「WEB制作のスキルが習得できる」とか、ITやWEBを売りにしたプログラムを提供し始めている就労移行支援事業所が全国で増えてきています。

 

IT・WEB分野に特化した就労移行支援事業所が増えることは歓迎

2017年にIT・WEBスキル習得特化型の就労移行支援事業所アーネストキャリアを立ち上げた時には、プログラムのひとつとして「HTMLやCSSが習えます」や、「illustratorやPhotoshopでWEBデザインが勉強できます」といった事業所は幾つかありましたが、ここまでITやWEBスキルの習得に特化した就労移行支援事業所は多くありませんでした。

 

昨今、多くの就労移行支援事業所の運営者が、アスペルガーや自閉症スペクトラムという発達障害と言われてきた方々に、IT分野において健常者の方々よりもはるかに高い可能性を感じ始めており、特性を伸ばす環境作りとしてIT・WEB分野に特化した就労移行支援事業所を開設されているのは、常日頃からあらゆる人たちに選択できる機会を創造したいと行動している私たちアーネストキャリアとしては、本当に素晴らしい動きだなぁと感じています。

 

この動きが更に加速して、受入先である企業側(一部の企業を除きますが)の「障害者だから一般社会で活躍出来ない」「障害者だからサポートしてあげないと何もできない」「障害者には仕事は与えてあげるものだ」という凝り固まった偏見に変革をもたらし、むしろ、これまで障害者と言われてきた方々が、実はこの社会を支えているのだという構図を創り出してゆきたいと思います。

 

一部の就労移行支援事業所は利用者を集めたいだけ

 

しかし、残念ながら一部のIT・WEB分野に特化した就労移行支援事業所では、表向きだけHTMLやCSS、illustratorやPhotoshop等々のWEB制作スキルの習得が可能であると謳っておきながら、実際は、市販の教本を基に自習だけをさせて、利用者の方から出てきた疑問や質問には、IT分野での現場経験が浅い(もしくは無い)個人の支援員が対応するといった残念な所もあるようです。

また、別の事業所では、スキルは習得できるものの、「就労先は自分で探して下さいね」と、初回の見学時に簡単に言い放つ事業所もあるようです。

 

就労移行支援事業所の本来の目的は、障害を持ちながらも就労を目指すことが大前提のはずです。

 

「スキルは身につくけど、就職までは面倒みません」と平気で説明してしまうような事業所は、そもそも本来の目的や使命を放棄しているとしか言えません。

 

確かに昨今の「働き方改革」という動きの中で、在宅ワークという働き方にも注目が集まっていますが、「辛い通勤をしなくても在宅で出来る仕事なんて山ほどありますよ!」と就職先を見つける努力をしない事業所の支援員が分かったような口ぶりで語っていることもあるようです。

 

しかし、現実はそんなに甘くはないでしょう。

 

確かに、ランサーズのようなクラウドソーシングには、仕事は星の数ほど多く掲載されています。しかし、実務経験や現場経験も少ない方でも仕事が受託出来るかどうかは別の問題ではないでしょうか。

 

あっ、誤解を招くといけないのですが、在宅というスタイル自体が悪いと言っているわけではありません。

 

ITやWEBの分野は、他の分野よりも在宅スタイルとの親和性は非常に高いと思いますし、現にアーネストキャリアと連携させて頂いている企業でも在宅勤務を前提に採用を進めて頂いているところも多いのです。

 

問題なのは、就労先まで真剣に考えていないにもかかわらず、単に集客だけを考え流行に乗っかるだけのIT・WEB分野に特化した就労移行支援事業所が幾つかあることが残念でならないと言いたいのです。

 

目指すべきはIT・WEB分野をきっかけにした社会変革

 

私たちアーネストキャリアでも全ての利用者の方々に対して、満足して頂ける就労先をご紹介出来るかと言えば残念ながらそうではありません。これは紛れもない事実ではあります。しかし、少なくとも利用者の方々それぞれに合った就職先をご紹介するために、多くの人材会社と競合という垣根を越えて連携し就労先を開拓し続け動いています。

 

IT分野は、時代の先端を象徴しているようにも見えますし、新たな可能性を感じやすい領域かもしれません。だからこそ、就職をするということが一筋縄では行かない分野であることも理解しなければなりません。

 

ITやWEB分野のスキル習得に特化した就労移行支援事業所が増えてきたことは喜ばしいことではありますが、単なる競合との差別化としてや、利用者の獲得のみを目指した集客手段などといった施設側のエゴではなく、障害者という一括りとして判断される社会から、その人、個人の可能性によって判断される社会への変革に繋がることを業界全体としても取り組まなくてはいけないと思います。

 

一部の集客のためだけにIT・WEB分野を始めた事業所に言いたい。

やるなら、頼むから本気でやってくれ。

 

 

IT・WEB分野のスキル習得に特化した就労支援アーネストキャリア

水野

 

 

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