就労移行支援事業所と二人三脚で進める障がい者雇用
~採用事例 株式会社優クリエイト~

株式会社 優クリエイト(http://www.y-create.co.jp/
1984年設立。クリエイタ―に特化した採用支援(人材派遣・人材紹介)を行っている。

 

2017年12月、アーネストキャリアで6ヵ月間にわたってWeb制作スキルを身に着けた山見知也さんが株式会社優クリエイトへの就職が決まりした。

就労から3カ月たち、山見さんの就業状況や障がい者雇用の経緯などについてお話を伺いました。

障がい者雇用の事例を作っていきたい

アーネストキャリア:今回、アーネストキャリアを通して障がい者雇用をされました。障がい者雇用をしようと思ったきっかけは何ですか?

 統括管理部 人事総務グループリーダー/社長付秘書 根岸佑美さん

根岸さん:以前は、たまたま、派遣スタッフに足に障がいがあるデザイナーさんがいたので、障がい者の法定雇用率を満たしていたんですね。けれども、その方が、派遣先で社員として就職することが決まったので、法定雇用率を満たすことができなくなってしまいました。2018年4月には、障がい者の法定雇用率の引き上げや雇用義務の対象に精神障がい者が加わることになり、会社としてどのように障がい者雇用に取り組むのかを考えることになったのです。

 

代表取締役社長 高橋茂一さん

高橋さん:障がい者雇用は、大手企業が取り組んでいるけれど中小企業にとってはまだハードルが高いのが現状です。障がい者雇用をしようと思っても、相談窓口も無いし、事例もわからない。そこで、当社独自の障がい者雇用をすることで、事例を作っていこうと思ったのです。

アーネストキャリア:一般的には、障がい者雇用に対して消極的な考えもありますが。

高橋さん:企業には社会的責任があります。障がい者は一定の割合でいらっしゃるんですね。だから、一緒に働くことはごく当然のことだと思っています。障がいがあるかどうかは関係が無く、誰もが平等に人権が保障され、自分が思うように生きられる社会を創る、ノーマライゼーションの考え方が日本でも浸透してきていると思っています。

自社の課題解決のために障がい者のスキルが生きるポジション

アーネストキャリア:今回、障がい者雇用を進めるにあたってまず行ったことは何でしょうか?


事業推進部 リーダー 大平信之さん

大平さん:まずは、どのような仕事していただくのが良いのかを考えるところから始まりました。

高橋さん:4月からの障害者雇用対象義務に精神障がい者が追加されることに着目しました。

精神障がいや発達障がいの方の特性から、プログラミング等のWeb制作の能力が高いことは以前から感じていたんです。現に発達障がいをお持ちの方のプログラマーは多いですから。また、高度情報社会の現在、Webに力を入れたい企業様はたくさんいらっしゃいます。しかしながら、Webクリエイターの人材が不足しているのが現状です。したがって、まずは自社でWebクリエイターを採用して事例を作りたいと思いました。

大平さん:社内業務で改善する必要があったのが自社サイトの運用でした。今までは外注に出したり、社員が別の仕事と兼務していたりして、専任のWebクリエイターはいませんでした。そのため、どうしてもサイトの更新が遅くなってしまいます。そこで、「自社サイトの運用をする」というポジションを新たに作り、Webクリエイターを採用することにしたのです。

根岸さん:障がい者雇用を前向きに検討している時にITやWeb関連スキルの習得に特化した就労移行支援事業所であるアーネストキャリアさんとのご縁があり、Webクリエイターを紹介いただくことになりました。

アーネストキャリア:根岸さんは今まで精神・発達障がいをお持ちの方を採用したことがなかったと伺っていますが、採用にあたってはどのようにお考えでしたか?

 根岸さん:知人に精神障がいを持っている方はいたので、大きな問題は感じていませんでした。ただ、実際に会ってお話してみないとわからないな、という思いでした。

アーネストキャリア:実際に会ってみていかがでしたか?

根岸さん:お話してみて、コミュニケーションの不安は一切なかったですね。そこで、トライアルで一日、実際の仕事をしていただきました。こちらがお願いしたい仕事ができるのかを拝見させていただく目的もありましたし、山見さん自身が会社の環境を受け入れられるかどうかをご判断いただく目的もありました。

実際に働いていただいて、スキルもコミュニケーションも全く問題はありませんでした。

山見さんも、仕事内容や労働環境に問題がないと判断してくださいました。そして、山見さんを採用させていただく運びとなったのです。

障がい者を受け入れる際に重要なこと

アーネストキャリア:山見さんの採用が決まった後に、会社として準備されたことはありましたか?

高橋さん:今回、精神・発達障がいの方の雇用を進めるにあたって、在宅勤務を想定していました。最初は仕事を覚えるために出勤していただかなくてはいけませんが、仕事になれたら在宅で仕事ができるよう、仕事内容の調整や、在宅勤務規定を新たに作り、受け入れ態勢を整えたのです。精神・発達障がいの方がずっと会社に勤務することは難しいと思っていましたから

ところが、山見さんは、入社して仕事に慣れた後も引き続き会社で仕事をしたいと言うので、入社して3ヵ月がたちますが毎日出勤しています。ただ、いつ何が引き金になって会社に来ることができなくなってしまうかはわかりません。ですから、いつでも在宅勤務ができるような体制になっています。

アーネストキャリア:その他に、受け入れ体制として準備したことはありますか?

高橋さん:とても重要だと思っていることは相談窓口、相談ラインを3つ用意してあることです。

1つ目は仕事の相談をする、上司となる大平さん。ただ大平さんに相談することは仕事内容についてのみ。もし仕事内容以外のことで何か支障があっても直属の上司にはなかなか相談しにくいこともあると思っています。

ですから、仕事内容以外の相談先が、人事を担当した根岸さん。面接の時からの繋がりがあるし、仕事以外のフォローは根岸さんが行っています。定期的に話をする機会もあるので、社内では一番相談しやすい相手になります。

そして、特に大事だと思っているのは、3つ目のラインである、アーネストキャリアさん。山見さんはアーネストキャリアさんに6ヵ月間通っていたので、アーネストキャリアさんとの信頼関係はやっぱり絶大ですよね。だから、一番本音が言えるのはアーネストキャリアさんなんですよ。そして、山見さんを一番理解しているのはアーネストキャリアさん。

アーネストキャリアさんは就労後も定期的に会社を訪れ、山見さんのフォローをし、その情報を会社にフィードバックしてくれる。

特にこの3つ目のラインが、社外にあることが重要だと思っています。相談窓口がすべて社内だと、もし何かあった時に山見さんが一人で抱え込んでしまう可能性がありますよね。だから会社組織以外のところに相談窓口がある必要があるのです。


アーネストキャリア:山見さんの入社にあたり、社員の方の理解を促すような取り組みはありましたか?

高橋さん:あえて、そのようなことはしていません。必要以上にそれぞれの障害がいの特性を勉強し、こういう時にはこう対応しましょうと決めても、時と場合によって違うんですよね。人によっても違います。一つの指針では対応できないのです。

過度に構えようとすると、社員の負担になってしまいますし、ご本人にとっても、逆効果になる可能性もあります。それよりも、何かがあった時に相談できるラインをしっかり作り、臨機応変に対処していくことが重要だと思います。

障がい者雇用に際し、就労移行支援事業を利用することの意味

アーネストキャリア:障がい者雇用をうまく進めるポイントは何だと思いますか?

高橋さん:今回は、アーネストキャリアさんの協力をいただきました。このように就労移行支援事業所に携わっていただくことが、会社にとっても障がい者にとっても有益な雇用を進める秘訣だと感じています。特に精神的な障がいや発達障がいをお持ちの方の採用は、履歴書や数回の面接だけで判断することが難しい。その点、今回の場合、アーネストキャリアで6ヵ月に及ぶ研修を積み重ねてきたという実績がありました。そして、その方の人となりやどのようなスキルがあるのかという正しい情報を得ることができました。

大平さん:山見さんの採用が決まった時には、山見さんが仕事を進めやすいように、アーネストキャリアさんから具体的な情報をいただきました。例えば、仕事の指示系統は1つに絞ってください、仕事の優先順位をつけてください、と。また、スキルの面でも何が得意で何が不得意か、そういった細かい情報もいただきました。その点を考慮して、山見さんの仕事がオーバーフローにならないように仕事配分をしています。

根岸さん:やはり、就労移行事業所であるアーネストキャリアさんからご紹介いただいたことは、採用を決める大きなポイントだったと思います。精神・発達障がいをお持ちの方は、ご自分の状態を把握されていないケースもあります。6ヵ月間、アーネストキャリアさんで過ごされたことで、ご自分では把握していない部分をアーネストキャリアさんが把握してその情報を企業側に教えてくれる。ですから、直接雇用するよりも安心感をもって雇用を進めることができたと感じます。

アーネストキャリア:実際に山見さんが就業していかがでしょうか?


就労3ヵ月。イキイキとお仕事をされている山見さん。

大平さん:山見さんには、SEO対策や情報の更新など、自社サイトの運用をお願いしています。以前は外注したり、社員が兼務で行ったり、業務が煩雑で時間が掛かっていましたが、山見さんに集約できたため、小回りがききますし、クオリティがあがり、情報をタイムリーに発信できるようになりました。新しい情報をいち早く発信する必要があるため、会社にとって大きな力になっていると思います。

高橋さん:今後も発達障がいをお持ちのクリエイターの方をどんどん支援していきたいですね。特にWebクリエイターは人材が不足しています。取引先のお客様達も必要としているので、今後は取引先への大切な人材としても考えていきたいと思っています。

みんな、お互い様

アーネストキャリア:今後、障がい者雇用が促進していくためにはどのようなことが必要だと思いますか?

高橋さん:「お互い様」って気持ちじゃないですか。自分だって、いつ何が起こるかわからない。人間生きていればいろいろなことが起きますよ。大きな怪我をして身体的な障がいを持つこともあるかもしれない、何かの引き金で精神的な障がいを持つこともあるかもしれない。女性は結婚をすれば、子どもを生む時期が来るかもしれない。何かが起きたら、その状況に合わせて対処する。そして、お互いに力を合わせてやっていく。「お互い様」という気持ちがあればいいと、私は思います。

株式会社 優クリエイトのみなさま、お忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

アーネストキャリアは、障がい者のみなさま、企業のみなさまの笑顔のために、今後も障がい者の方々への就労という機会の創造に本気で取り組んでまいります。